タンザニアのアルーシャにいたときのこと、
こころの大きな女性に会ったことで
自分のちっぽけさを知り、
もう少しこころの広い人間になろうと思った。

で、タンザニアのアルーシャからカハマヘと
東に向かってバスで移動したとき、
小学生くらいの子どもが隣の席に着いていた。

子どもがぐっすり眠っていたため、
ぼくの肩に寄りかかってきた。

はい、はい、はい、はい、どうぞ、どうぞ、
ぼくの肩でよければ全然貸すとしよう。
なんせ、今のぼくは、こころの広い人間になるべく
「いい人キャンペーン」中ですから。
少年よ、ぐゆるりとくつろぎたまえ。

しばらくすると、眠っていた子どもの頭が
ぼくの膝元に来ているではありませんか。

ほう、ほう、ほう、ほう、どうぞ、どうぞ、
もしかしたら、お主(子供のこと)、
「いい人キャンペーン」中ってことに
気がついていて、こちらを試してるな?

今のぼくは、寝ている子どもを
起こすなんて野暮なことはしませんよ。
少年よ、ぼくの膝を堪能したまえ。

・・・2〜3時間経過。
子どもをもつお母さん、お父さんにとっては
当たり前の日常なんだろうけど、
長時間、子どもが起きないように、
足を動かさないでいると疲れてきた。

世界の小さな子どもをもつおお母さん、父さん、
毎日毎日ご苦労さまです。

そんな膝疲れに気づいてか、少年が目覚めた。
ぼくの膝で寝ていたことなんて、忘れてる様子。
まあ、まあ、子どもなんて、そんなもんだよな。

しばらくすると、少年が「これ食べる?」と
途中で買っていた豆を差し出してきた。
きっと、膝心地を覚えてたのだろう。

もちろん、なにかをくれると思って
膝貸ししたわけじゃないけど、
やさしさが返ってくるのは、うれしいものですね。

膝がへへへと笑ってりゃ。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
キャンペーンでおわらないように。

このときの場所/タンザニア
現在地/日本一時帰国

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