タンザニアのアルーシャには夜遅くに着いた。
野生の動物を観るために、ンゴロンゴロの
日帰りサファリツアーを探そうと、
朝起きてすぐ、ホステルに併設された
ツアー会社に内容と価格を聞いてみた。
明日から参加できてるツアーで
調べていた内容と価格に近いもがあったけど
他の会社の話も聞いてみたかったので、
ひとまず、ホステルを出て他のツアー会社を
回ってみることにした。
明日ツアーに参加できると思い、
次の移動を急いでいたため、
明後日移動するバスのチケットを先に買った。
二軒の会社を回ったあと、街を歩いていると
サファリツアー会社を一緒に探してあげる
という20代の男が近づいてきた。
怪しげだけど、回った二軒とも
明日からのツアーがないと言うため、
「あなたにお金を払えないよ。
ツアー会社から紹介料をもらってね」と
彼に伝えてから、ついていくことにした。
彼が連れていく場所、いく場所、
明日のツアーはないと言うので、三軒ほど回って、
「もう大丈夫。最初に自分で聞いた場所にする」
とぼくが言った。
案内をしてた彼は紹介料がもらえないからか、
「待ってくれ。もう一軒あるんだ」と
やっきになっている様子。
そのあとも、三軒ほど行ったけど、
すべて明日からのツアーはなかった。
泊まっているホステルに戻り「ありがとう」
と感謝を伝え、別れようとすると
「待て。いろいろ連れて行ったんだから、
お金を払ってくれ」と言いだす彼。
まあ、これは旅あるあるなので、
こんなことを予測して彼について行く前に、
お金は払えないことを伝えていた。
「あなたはぼくに賭けて、ツアー会社を
探したけど見つけることができなかった。
ぼくもあなたに賭けて、ツアー会社を
探したけど見つけることができなかった。
イーブンだ。最初にお金を払わないよと
言ったとおり、お金は払えない」とぼくが言う。
「お昼ご飯食べたいんだ」と彼が言うけど、「ありがとう」と言い、ぼくは立ち去る。
ホステルに戻って、併設されてるツアー会社に
明日から行きたい旨を伝えると、
もう明日からのツアーはないと言われる。
朝は空きあったけど、他の会社を回ってる間に
他の人が予約してしまったのだ。
しまった、判断ミスをしてしまった。
肩を落としてツアー会社のドアを出ると、
ホステルの受付のおばちゃんが明るい声で
「Hey, Japanese」と呼びかけてきた。
朝まではツアーの空きがあったんだけど、
他の会社を回っているうちになくなっことを
彼女に落ち込みながら伝えると、
「そっか、それはそうと、
あんたお昼ご飯食べてないんじゃない?
わたしのあげるから食べなさいよ。」と、
目の前にある彼女のご飯を差し出してくれた。
「ありがとう。それおばちゃんのだから、
大丈夫だよ」と断るが、
「いいのよ、わたしのはまた頼めるから」
(ホステルには食堂が併設されている)
「それに、ここはアフリカだから」と
おばちゃんが優しい表情で言う。
はあ、タンザニアのムベヤで額に傷のある
おじさんに「地獄へ堕ちろ」と言われ、
急いでいるのに明日のツアーもなくて、
へこんでいる時に、このやさしさは染み入る。
ありがたく、いただくことにしました。
なんでもない混ぜご飯だけど、
やさしい気持ちも混ざってておいしい。
ツアー会社を探そうと回ってくれた彼に
対して一銭も払わずにいた小さい自分と、
落ちこんでいるぼくにお昼ご飯を
分けてくれる、こころの大きなおばちゃん。
何百年、何千年もの月日をかけてできた
大自然を目の前にした時のように、
こころの大きな人間を前にすると、
自分のちっぽけさを思い知らされます。
もっとおっきくなろっと。
それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
思い知らされて、感謝。
このときの場所/タンザニア アルーシャ
現在地/日本一時帰国
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