目玉焼きのような「ダロール火山」や
真っ赤な溶岩「エルタ・アレ火山」へ行った
ダナキルツアーは、四駆の車で移動する。

ぼくが乗った車にはドイツ人ふたりと、
オーストリア人ひとり、エチオピア人の運転手。
男性4人と一緒に車に乗っていた。

車は大自然のなかを勇ましく進んでいくので、
途中に建物のトイレはない。
青空トイレだ。

ただ他にも一緒にツアーを回る車が9台あって、
ツアーの参加者の中には、女性もいるため、
草が生い茂っているところでトイレ休憩をする
気遣いがある。

車10台がいっせいに停まって、
「トイレ休憩だよ」と運転手が言う。
女性は左、男性は左と分けられる。

青空トイレから車に帰ってくると、
ふいにドイツ人のステファンさんが言った。

「草が生い茂ってるから、
ここでおしっこするのだろうか。
それとも、おしっこをみんながするから、
草が生い茂ってるのだろうか」

哲学的?でシュールな問いだ。

言われてみれば、
ここだけ草が生き生きしているのだ。
もしかしたら、歴代のツアー客で
育ててきた草なのかもしれない。

楽しいから笑うし、笑うから楽しくなる。

で、ここまでは今日の本題とは
ぜんぜん関係ありません。
道草食ってしまった。
あっ、その草は、おしっこで育った草かも、、
ぺっ。

ダナキルツアーのひとつとして、
塩の採掘場にも行ったのですが、
その塩は、ラクダに乗せて9日間もかけて、
街の工場へ運ばれるのだそう。

車で走っていると、キャラバンという
いくつものラクダの列が歩いている。

メックエルという都会の工場では、
近くで売る塩の10倍以上の価値がつけられる。

つまり、場所によって価値は変わるということ。

カラッカラッの砂漠にある水たまりは、
ものすごい価値のあるものだけど、
家の前に出来ている水たまりを見て、
大よろこびするひとはそうはいない。

これはモノだけじゃないと思う。
たとえば「ジャンケンポン」という、
著作権不明の人類が平和に
勝負をつけることのできる発明品?も、
場所によっては、価値のないものになってしまう。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
人だって、場所によって価値は変わる。

このときの場所/エチオピア アサレ塩湖
現在地/マラウイ カタベイ

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