金曜日のお昼過ぎに街をぶらつくと、
半分以上のお店が閉まっている。
どうやら、イスラム教の人にとって、
金曜日はお休みの日のようだ。

そんな中、伸びた髪を切りたいと思いたって
床屋を探すことに。

前の日に目処をつけていた床屋は
残念ながら閉まっている。
キング・タラル・ストリートを歩いていると、
反対の通りに開いている床屋を発見。
入ってみることにした。

ぼくがお店へ向かっていることに気づいたのか、
「Welcome」とお店の人がドアを開け迎えてくれた。

アンマン最古の床屋体験記

お店の雰囲気を感じながら、
「いくらですか?」と聞いてみると、
「As you like(お好きなように)」と
言い出すお店のおじちゃん。
いかにも、ぼったくられそうだ。

お店の順番待ちの椅子に腰掛けていた
ご機嫌なエジプト人のお客さんに
「大丈夫、大丈夫」と肩を組まれながら言われ、
20JD(約3,200円)しか
持ってないことを伝え、席に座る。

どうやら、ここはアンマンで
いちばん古い床屋さんらしい。

周りに座っているお客さんは、
おじさんばかりなので、おじさんっぽく、
ほぼ坊主に切られるのはいやだなあと思い、
「ヤング・スタイル」とだけお願いする。

髪の毛が洋服に入らないよう
首に半紙のような透き通った紙を巻きつけられ、
日本と同じようなエプロンをかける。
日本のように「苦しくないですか?」なんて聞かず、ぎゅっと、つよく首を絞める。

タオルを肩にかけ、
水のスプレーをシュッシュッと髪にかける。
顔が濡れるとかはおかまいなしで、
ディズニー・ランドのアトラクション
『スプラッシュ・マウンテン』の
一番前に座るより、顔がびしょびしょだ。

水をかけおわると、水で濡れたタオルを、
すぐに店の外に干しにいくおじさん。
そういうところは、几帳面なのね。

お店にあるのは、まっすぐのハサミのみ。
すきバサミはなさそう。
チョキチョキと、ハサミを手で言わせ続けるおじさん。
髪を切っていないときでも、
ハサミをチョキチョキさせている。
どちらかといえば、切ってないチョキチョキ
のほうが時間としては長いぞ。

アンマン最古の床屋体験記

「体験として、糸を使ってあげるね」と言って、
細い糸を使って眉のあたりの産毛を抜いてくれた。
手にもつ糸で毛を挟み、糸を口にくわえながら、
頭を動かして毛を抜いていく。
「イテテテテ」笑けるほど、痛い。

アラブの人は産毛が多いから、
このテクニックを使うのだという。
髭を剃りおえたエジプト人を見ると、
髭の生えている場所と生えていない場所とで、
きれいな境目ができている。

ざっと10分くらいで切り終わり、シャンプー台へ。
仰向けになって、シャンプー台に座ると、
顔に何もかけず、ジャブジャブと洗う。
顔はびしょ濡れ。

「痒いところは、ないですか?」なんて、
コミュニケーションは、もちろんない。
あのやりとりは、いつから日本に存在するのだろうか。
もっといいコミュニケーションはないのかなあ。

「大切な思い出は、ないですか?」
「変わらないものは、ないですか?」
まあ、これを聞かれても、
痒いところを聞かれたときと同じくらい、
反応に困るが。意外性はあるだろう。

最後にお茶を出してくれて、
お腹にいい植物まで入れてくれた。

「で、いくらなんだい?」と聞くと、
「15JDはどう?」と聞いてくる。
「ローカルプライスでお願い。」と言うと、
「ローカルプライスよりは、高いよ。
ここでは、ローカルと旅行者はちがうんだ」と言いながら、13JDで勘弁してくれた。

ローカルプライスの2倍だろうか、
それとも3倍だろうか。
それはいいとして、兵役感のつよい髪型になった。

アンマン最古の床屋体験記

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
かゆいところないですか?以外のやりとりはないかなあ。

このときの場所/ヨルダン アンマン
現在地/マダガスカル

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