バスキングをやってみたくなった。
ゼロから必要な材料を手に入れて、
その材料をを価値あるものに変えて、
売ってみることがしてみたくなったのだ。

バスキングが何かわからない人も、
道端で歌っている人や、演奏してお金を
もらっている人を見たことがあるだろう。
あの投げ銭を集めてるのがバスキングです。

ぼくは、鼻唄を奏でていると、
周りの人に携帯電話のバイブレーションだと
間違われて携帯電話の着信を確認されるほど歌が下手だし、楽器もできない。

じゃあ、何ができるって考えたときに、
「日本語」×「名前」×「デザイン」
を組み合わせて、「あなたの名前を
日本語で描きます」というバスキングにした。

海外を歩いていると、たまに「東京」や
「こっち来ないで」などと日本語で書かれた
Tシャツを着ている人を見かけることがある。
日本語のニーズが少しはあるだろう。

思い立ったが吉日、リスボンの港近くにある
ベラルド現代近代美術館に行ってみると
画材屋さんがあった。

クラフトのスケッチブックと
色鉛筆12本(24色)、
シンプルな鉛筆削りを11.8ユーロで購入。
最低でも、12ユーロは、
稼がんとやめられなくなった。

夜に「I draw your name in Japanese」
とだけ、スケッチブックに描いて寝る。

次の日、ホステルで仲よくなったポルトガル人に「I draw your name in Japanese」の
ポルトガル語訳を教えてもらい、
11時に「Baixa-Chiado」駅に着き、
人通りが多くなりそうな場所で腰を据える。

例として「Michael」という名前で、
「マイケル」「まいける」「舞蹴」を描く。
カタカナ、ひらがな、漢字の3つの文字から
選んでもらうスタイルにした。

14時をまわった頃、
はじめてのお客さんがやってきた。
ポルトガル人のお父さんと息子さんだ。

息子さんが独学で日本語を勉強しているので、
お父さんが「描いてもらいなよ」と
言ってくれたみたい。

ぼくに「いくらなの?」と聞くお父さん。
「好きな値段でいいですよ」と言う。
「だいたいどれくらい?」と聞くお父さん。

しかし、はじめてのお客さんだから、
だいたいもへったくれもないのだ。

そんなことも言ってられないので、
「だいたい2から3ユーロだね」と言うと、
5ユーロもくれたじゃありませんか。
気前がいいぜ、お父さん。

息子さんは、日本のアニメが好きなようで、
日本語を独学で学び始めたのだと。
彼の好きなアニメは、申し訳ないけど、
すべて知らなかった。はい、勉強不足です。

はじめてのお客さん希望のカタカナで
おそるおそる「アフォンソ」と名前を描く。

ポルトガル リスボン バスキング デザイン 日本語

いただいた5ユーロを握りしめて、
初給料をもらったときのようにニヤニヤする。

2人目のお客さんはフランス人のマダムだ。
マダムの名前かと思ったら、日本が好きな
お孫さんのために描いてほしいと言う。

お孫さんは男の子なんだけど、カミーユは、
男も女もつけている名前で、
むかしは男の子のほうが多かったけど、
近ごろは女の子のほうが多いんだとか。

マダムは漢字がいいと言うので
「神夢」と書いた。キラキラネームだ。

ポルトガル リスボン バスキング デザイン 日本語

結局この日は、7時間座ってお客さん2人。
9ユーロ(1160円)いただいたけど、
時給で計算すると180円。
子どもの肩たたきのほうが稼いでるような。
稼ぐってむつかしたのしいなあ。

ただ、これじゃ生きていけんとです。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
ふたりに日本を好きになるきっかけをくれた
どこかの誰かさんありがとう。

このときの場所/ポルトガル リスボン
現在地/オランダ ユトレヒト

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