グアテマラにある標高3976メートルの
アカテナンゴ火山(Volcan de Acatenango)
のトレッキングツアーに参加しました。

山を登るのは、あまり好きじゃないんだけど、
つい、アカテナンゴのとなりにある山、
フエゴ火山(Volcan de Fuego)の
噴煙や溶岩を、同じ高さから見たくてね。

このアカテナンゴの登山、略してアナゴさん
(それのほうが親しみもてるでしょ?)は
スタート地点は標高2300メートルで
はじめから、心臓やぶりな坂が待ちかまえている。

ハアハアと息を切らしながら歩いていると、
足元をすらっと触れる感覚があって、
「なんだ?」と思って見てみると、
黒い犬が一緒に登山をしているではありませんか。

ガイドのおじさんが言うには、
この犬、「オソ」という名前らしい。

話が脇道にそれるけど、
ひとつ目の休憩所でぐだっと休んでいたら、
どこかで聞いたことのある音楽が流れていて、
「なんだろう?」と記憶をたどると、
どうやら、坂本龍一さんの曲のよう。

さすが、「世界の坂本龍一」。
アナゴさんで耳にすることができるなんて。
坂本龍一さんの曲で少し回復したはいいけど、
まだまだ山は続くよ、どこまでも。

そして、オソも付いてくるよ、どこまでも。
気づいたら、オソは、約3600メートルの
高さにあるテントのはられた場所まで
一緒に付いてきちゃった。

自分で食事や水を運んでる人間とはちがって、
オソは、なにも持ってきてないもんだから、
尻尾をふりながら人間に近づいて、
みんなから少しずつ食糧や水をもらっている。

みんなで、たき火を囲んで話していたときも、
疲れていたのか、ぼくの足の甲を枕にして
オソはぐっすり眠ってしまった。

なんという「愛され力」。

アカテナンゴ山 犬

テントで一泊して、次の日の朝、
日の出を見るために、暗闇の中、
ヘッドライトをつけて山頂を目指します。

このアナゴさん、登るのたいへんでして、
どれくらかと言うと、一緒に登った10人のうち、
5人は山頂まで行くのをやめてテントに残った、
それくらいたいへん。

10歩進んでは、息を整えて、
10歩進んでは、息を整えてのくりかえし。

やっとこさの想いで、朝日に間に合い、
疲れきったカラダで山頂につくと、
オソが先に山頂にいるじゃありませんか。
オソなのに、はやい。
しかも、人間たちはぐったりしてるのに、
オソはまだまだ尻尾をふって元気そう。

なんという「体力」。

オソの愛嬌と体力がうらやましいぞ。

「なぜ山を登るのか?」という疑問に対して、
「そこに山があるから」という名言がある。

「犬はなぜ山を登るのだろう?」
もしかしたら、「そこに人間がいるから」
なんじゃないかな。
それが人間に愛されている秘訣な気がする。

山頂では、すばらしい景色が見られました。
火山と山頂の写真は、明日お見せします。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
ほんとうに、犬っていいよね、すごいよね。

このときの場所/グアテマラ アカテナンゴ山
現在地/アルゼンチン バリローチェ

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