髪切ったら

ベトナムのハノイから、
ラオスのルアンパバーン行きのバスに乗ったとき、
バス会社の適当さのせいで
乗り換えのバスターミナルであまりにも
待たされたので、髪を切ったよ。

たまたま一緒に移動していた
弁護士志望のアメリカ人は、
「ああ、フラストレーションがたまる」と、
バス会社の適当さに、鼻息を荒げていたんだけど、
もうどうしようもないんだから、
この時間をたのしく使うことにした。

ラオスで髪を切る日本人は少ないだろう、
へへへと思いながら、バスターミナルの
女性二人が髪を切っている床屋に足を運ぶ。

髪型は「ラオスへアイスタイル」とお任せ。

シャンプーはなしで、バリカンから始まり、
慣れたもので、すばやい手つきでバリバリと
刈っていく。

結果的に、丸坊主はいやだ、
少しだけカッコつけたい
軍人みたいなヘアスタイルになった。
代金は20,000キープ、
桁だけ見ると高そうだけど、日本の270円。

途中、後頭部を見て、二人が笑っていた。
左右非対称なところに笑ってたのかなあ。
将棋の羽生さんが右脳を下にして寝ていると
小学生の頃に知って、なんだか右を下にして
寝ることが多かったせいか、
右の後頭部が左に比べて凹んでいる。

終盤にさしかかったとき「日本人だよ」と話すと、
「わたし、ベトナム人」と返される。
あれれ、ぼくのラオスヘアスタイルが。

髪切った後すぐに、バスターミナルで
インスタントラーメンを食べていると、
中国人に中国人だと思われ、
中国語で話しかけられる。
あらら、ぼくのラオスヘアスタイルが。

ラオスに到着して、宿のロビーで休んでいると、
日本人にラオス人だと思われて
「部屋ありますか」と英語で聞かれる。
うふふ、ぼくのラオスヘアスタイルよ。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい１日を。
アジアではアノニマスな感じになってきたかしら。

このときの場所／ラオス ヴィエンチャン
現在地／ミャンマー

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