なるべく使わないようにしているコトバがある。
「しっかり」というコトバだ。
いろんな舞台で活躍している「しっかり」。
最近、成績を残せていない後輩には、
「しっかりしなさい!」と唾にまみれて現れ、
今年の目標は「○○をしっかりやることです」
なんて真面目な顔とともに登場する。
なんて、キミは、使いやすいんだ。
困っても、キミがいればどうにかなる。
頼りにしてるぞ「しっかり」
なんてことを言いたくなるくらい
名脇役的な存在です。
でもね、この「しっかり」の中には、
いろんなものが詰まっているんです。
それを見ようとしない、
考えようとしないで、
名脇役「しっかり」ばかりを使うことは、
監督である自分の頭を使わないことになるし、
それを実現させることから遠のいていきそうなので
できるだけ使わないようにしているのです。
「しっかり」行うには、
たとえば、スケジュール表を作って
毎日、進捗を確認しながら行うとか、
やることを全て書き出して
ひとつひとつ行うとか、
他のことに目をやらずに
夢中になって行うとか、
いろんなものが混在している。
その中には、大切な勇気だとか情熱なんかも、
含まれてるんじゃないかな。
「好きな女性のタイプは?」という質問に対して、
さんまさんが「都合のいい女性」と答えたように、
「しっかり」は、都合がいいから、
ぼくも使いたくなってしまいます。
自分にも、他人にも。
でも、右も左もわからない後輩に対して、
「佐藤、しっかりやれ」じゃなくて、
後輩に何が足りないかを考えて、
「佐藤には、ちょっぴりの勇気が足りない。
失敗してもいいから、やってみたら」
と言ったほうが、後輩の一歩になる。
もちろん、答えを教えないで、
考えてもらうために使ってる人も、
いるかもしれませんね。
今日も、明日も、明後日も、いい日でありますように。
母が子に言う、「しっかり」は嫌いじゃないんです。