誰がはじめに言ったか、知らないが、
「ひとは説得されたいのではない、納得したいのだ」
といったコトバを聞いたことがある。
このコトバは企画をプレゼンテーションするときに、
自分の立場で話すのではなく、
相手の立場で話そう、というようなことです。

これ、当たり前のようで、
行動するのは、簡単じゃない。
熱中してしうまうと、いつの間にか、
自分の立場で話しているではありませんか。
さらに加熱すると、いつの間にか敵と味方のような
関係にまでなる可能性だってあるんです。

テレビのニュースを観ていると、
成人式の写真撮影を2020年まで予約を
受け付けているというスタジオが特集され、
代表の方がインタヴューに答えていた。

その方は、おそらくいつも使っているであろう
コトバ「お客さんを囲い込みたい」と言っていた。
なるほどね、何年も先の成人を囲い込みかぁ。
よく考えてますね、さすがシャチョさん。

ちょいと待てよ、自分が囲い込まれてると知ったら、
どういう気持ちになるだろうか。

ぼくは、うれしくない。
囲い込みって色々な会社が当たり前のように、
使っているかもしれないが、あぶないコトバだ。

羊だとか動物に使う「囲い込む」という表現だけでなく、
そのコトバが出てしまう姿勢があやうい。
遠くの知らない誰かを、ひとりの人間ではなく、
どこかの動物のように扱ってしまっているのです。
おそらく家族や、仲間に対してこのコトバは使わないはず。
「家族を囲い込みたい」言ってみたけど、
やっぱり、しっくりこないですもんね。
「家族に喜んでもらいたい」こっちのほうが、しっくりきますね。
「お客さんに喜んでもらいたい」うん、こっち、こっち。

この話を書いたのは、
シャチョさんを批判するためではありません。
ぼくも気がついたら、
そういう態度になる可能性は十分にある。
だから気をつけよう、自分。
よかったら、あなたさまも。
あっ、これは、説得じゃないですよ。

今日も、明日も、明後日も、いい日でありますように。
囲い込まれたくない、喜びたいのです。