「花の都、パリ」と言われるように、
華やなイメージをもつパリという街。
そんな、パリにも暗い面がある。

パリの地下鉄に乗ると、中国語、韓国語、
日本語で「スリに狙われないよう、
貴重品に十分気をつけてください」と
アナウンスが流れてる。

どれだけアジア人狙われとんねんと思って
宿に戻ったら、イランの女の子が
地下鉄でiPhoneを盗まれていた。

彼女は、ショックを隠しきれず、
「パリは建物はきれいだけだけど、
他のものはきれいじゃない」など言う。
華やかなパリのイメージに裏切られたと、
パリへの悪口が鳴り止まない。

ぼくも地下鉄の階段を上っているとき
ぼくの左ポケットにだれかの手が入ってきた。
うしろを振りかえるとアラブ系の男性がいた。
彼はわざとらしいほどに
こちらから視線を外している。

エドガー・ドガの像、『Little Dancer of
Fourteen Years』のような目をして
なにも喋らずに、じっと彼のことを見る。

すると彼は突然おしゃべりになった。
「なにもやってねーよ、
見てるんじゃねーよ、
お前はクレイジーか、
どこか行け。」

相手を卑下することでしか
自分の正しさを証明できい人は弱い。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
パリに行く際は、盗難に気をつけてね。

このときの場所/フランス パリ
現在地/フィンランド ヘルシンキ

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