吸血鬼狩り騒動

ザンビアで会ったマラウイで活動している
日本人の大学生の女の子が教えてくれた。
「マラウイでは１ヶ月前に、吸血鬼が
出るっていう騒動があったんです」と。

吸血鬼と疑われた人は、問答無用で
村人によって殺されてしまうのだという。
それじゃあ、まるで「魔女狩り」だ。

混乱の時期にあった中世ヨーロッパでは、
村人が「殺される前に、殺してしまえ」
という考えのもと、魔女と疑わしき人物を
死刑にしていた。

まさか、今の世界に「吸血鬼狩り」が
あるなんて、ウソのような本当の話だ。

そんなうわさ話を信じてしまうなんて、
マラウイはまだまだ発展途上国なんだなあと
思ったけど、ぼくらが普段見聞きしている
うわさ話だって、同じようなところがある。

自分が目にしてもないうわさ話を、
本当だと信じこんでいないだろうか。

テレビで報道される芸能人のうわさ話を、
鵜呑みにして、あの人はああいう人なんだと
思い込んではいないだろうか。

学校のクラスメイトのうわさ話を、
本人から直接話しを聞いていないのに、
疑わずに受け入れていないだろうか。

「百聞は一見にしかず」なんてことばがあるけど、
ぼくらはいつから空より先に、携帯電話で
天気予報を確認するようになったのだろうか。

何十キロ、何百キロか離れた空には、
いつでも数時間後の天気が書かれているのに。

手の親指ばかりを動かしてばかりじゃなくって、
めんどうでも、足の親指にある母子球を
もっと使ってもいいのかもしれないね。
うわさ話に飲みこまれないためにも。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい１日を。
自分の目で見て、自分のこころで感じる。

このときの場所／マラウイ リロングウェ
現在地／日本一時帰国

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