マラウイでは、「吸血鬼騒動」があった。
あの人の生き血を吸うモンスター、吸血鬼だ。

「吸血鬼がいるらしいぞ」という噂が広まり
「あいつなんか怪しくないか?」と、
吸血鬼と疑われた人が、村長の命令により
村人の合意によって殺されてしまったのだという。

もちろん、吸血鬼なんていなかった。
(どこかの世界にはいるかもしれないけどね)
吸血鬼ではない人間が殺されたのだ。

なんで、殺そうと思うのだろうか。
それは、こちらが相手を殺さないと
こちらが殺されてしまうかもしれないという
思考が働いたんだと思います。

たとえば、見たものに幸運が訪れるという
「村に座敷わらしが出るらしいぞ」なんて
噂になっていたら、殺そうとは思わないよね。

座敷わらしは人びとにたいして
かわいいイタズラをするかもしれないけど、
自分たちが殺されるとは思わないだろう。

吸血鬼の場合は殺される前に殺してしまえ、
村人の怖がる気持ちが吸血鬼と思われる人を
死刑にかける合意をつくっていった。

これを、どこか遠い国のおとぎ話のように
思わないでほしい。
日本はこれに近い危うさに身を置いている。

日本に帰ってきて、北朝鮮の話になった。
ある人がふつうの顔して言ったんです。
「北朝鮮にミサイル落としちゃえばいいのにね」って。
その人は血の気の多いヤンキーではない。
高齢の女性です。

これはまさにやられる前にやってしまえ精神だ。
女性は「怖い」を抱えているのだろう。

その「怖い」はどこから来たのだろうか?

北朝鮮に行ってミサイルを見たのだろうか、
恐ろしい北朝鮮人と話したのだろうか、
本やインターネットで調べたのだろうか、
テレビで流れる情報を観たのだろうか。

その「怖い」は誰かやメディアによって
都合よくつくられていないだろうか。

ぼくは北朝鮮のスペシャリストではない。
だからデタラメなことは言えません。
一人ひとりが信頼のできるメディアを通して
北朝鮮の動向を注視していく必要はあります。

ただ、自分たちは「正しい」、「正義」だ、
「殺してもいい」なんて思ったら、
危ない状態にいますよん。ピース。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
ただただ平和が好き。

このときの場所/マラウイ
現在地/日本一時帰国

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