こどもの頃、好きだった番組は、
『世界ウルルン滞在記』でした。
俳優さんや女優さん、タレントさんが
世界の片隅にホームステイをして、
家族と一緒に共同生活をしていくことで、
その場所の文化を学んだり、
家族との絆を深めていくような番組です。
最後には、必ずといっていいほど
司会の徳光さんが泣いていた、あの番組です。

『世界ウルルン滞在記 永久保存版』という本を
見つけて、懐かしく思い、手にとってみました。

この本の103ページと、
裏側の104ページに書かれていた、
「異なる水への思い」についてお話しします。

103ページには、黄川田将也さんが
タンザニアのエンタカジチュク村で
ウルルンしたことが記載されている。
摂氏40度を超える暑さの中のホームステイ。
食べ物が貴重で、飲み水も1日に1杯しか許されず、
お腹を壊してもいいから、
牛が飲んでいる泥水でさえ飲みたいと
思ったと綴られている。

103ページの裏側、104ページでは、
吹石一恵さんが、フランスのパリで
パリコレのモデル修行したことが書かれている。
ファッションコンサルタントの
モニコさんのお宅に訪問した。
モニコさんの指導はとても厳しく、
外出時もヒールのあるパンプスを履かなければならない。
食事管理も厳しく、来る日も来る日も野菜と
大量の水(1.5リットル)の摂取を強いられ、
水恐怖症になりそうだったと綴られている。

偶然だろうか、編集者の仕業だろうか、
どちらにせよ、おもしろいではありませんか。

タンザニアでは、泥水でもいいから飲みたいと思い、
フランスでは、もう水なんて飲みたくないと思う。
ある国では、必要ないものが、
違う国では、宝物のように扱われる可能性だって、
あることがわかります。

地球の表と裏で起きていることが、
(タンザニアとフランスは地理的に表裏ではないが)
ページの表と裏で表現されている。
この編集は、本としての新しいアイデアかもしれません。

今日も、明日も、明後日も、いい日でありますように。
あなたの反対側には、どんな世界が広がっていますか?