犬のカヤをカメラで撮影してみるが、
なかなかいい表情の写真が撮れない。
基本、カメラのレンズを見なかったり、
カメラを向けられるのが、うれしくないのです。
犬は人間とも目を合わせることが
苦手といいますが、レンズも同じなのでしょう。
でも、カメラを向けないで、
犬を眺めていると実にいい表情をしているのです。
たとえば、顔面をペロペロと舐めてくるときは、大迫力。
目を閉じずに、カヤを見てみると、
市川海老蔵さん並みの目ジカラをしているのです。
この表情をカメラに収めるて、
みんなに見てもらえたらうれしいだろうなあ。
でも、こんな写真はなかなか撮れないのです。
あらゆる人が写真には残すことのできない
すばらしい瞬間を目にしているだろうし、
頭のどこかにストックしているんだと思うんです。
でも、それを、みんなが目に見える形には残せていない。
だからこそ、
カメラが媒介していることを忘れさせるくらいに
相手の表情を引き出している写真家や、
自然でいい表情をみせるモデルや俳優は
お金や拍手がもらえるのです。
それは写真や映像に関わる仕事だけでなく、
そこにあるムードを感じ取って言葉にする作家だとか、
そこにある変を感じて笑いに還元するお笑いだって、
同じだと思うのです。
簡単にかたちにできないものを、
かたちにするからお仕事になっている。
そういえば以前、
広告のクリエイティブディレクターが、
広告撮影時にはじめて会う
2人の芸能人の緊張感をなくすために
トランポリンでジャンプをさせながら
2人の撮影をしたというのを思い出しました。
その広告の2人は、昔から遊んでいた
幼馴染のように、いい表情をしていたのです。
それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
犬と触れ合う時間だとか、
決してかたちにできない大切な瞬間もありますよね。