「姉さん、事件です。ニースのホステルで
女性が泣きわめいてます」
テレビドラマ『HOTEL』の赤川一平（高嶋
政伸）の決まり文句、「姉さん、事件です」
今の若い人は知らないだろうなあ。
でね、ほんとうに泣いていたんです。
おとといはキラキラした友情について、
きのうはニースがとれだけNiceかを
書いたんだけど、そんなニースで事件です。
ホステルをチェックアウトをした夜に
あずけた荷物を受付にとりにいくと、
なにやらすごい勢いで女性が泣いている。
そのあと、彼氏のような人が来て
彼女を抱きしめているのを見て、
「ヘイヘイヘイ、カップルのケンカかい？」
って思ったんだけど、ちがったみたい。
となりにいた女性が、教えてくれた。
「彼女、シャワーを浴びてるあいだに、
携帯電話を盗られちゃったみたい」
ニースのビーチがNiceだったぶん、
こんな場所にも盗っ人がいるのかと
思うと、なんともショックだ。
アフリカのマラウイには、
こんなことわざがあるようです。
「人はすべて善人だと思っているとしたら、
あなたはすべての人には会ってない」
はあ、旅のはじまりに
催眠薬強盗にあったぼくには、
身にしみすぎてズキズキすることわざだ。
もちろん、すべての人が善人だって
信じたいんだけど、ちがうんだよなあ。
旅をしていると、にょじつにわかる。
わるい人はいるんだよ、そこがNiceな
ニースであれ、安全と言われる日本であれ。
逆に世の中、わるいやつらばっかりだと
思ってるとしたら、あなたはまだ
すべての人に会ってないっとも言えるよね。
それでは、今日も、明日も、明後日も、いい１日を。
それでも、できるかぎり信じたいのです。
このときの場所／フランス ニース
現在地／ウクライナ リヴィウ
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