リヴィウでのバスキング(投げ銭)は、
ほんとうに、たのしかった。
お客さんがたくさん来てくれたというのも、
あるんだけど、個性豊かな人たちと
コミュニケーションをとることができたのが、
おもしろかったなあ。
ただ道で絵を描いているだけなのに、
80何歳という近くに住んでいるという
おじいちゃんが通りすがりに
にんにくの入ったサンドイッチをくれたりもした。
この少年は、お母さんと思われる人と一緒に来て、
「あなた描いてもらいなよ」と言われていたものの、
「いやだ、いやだ」と言いながら、
なぜか小銭をぼくにくれて、去っていた。
たぶんだけど、「ぼくがいやと言わなければ、
あなたにお金が入ったのに」という気持ちだったのだろう。
何分かして、そんなやさしい少年がまた来てくれて、
「あの、コッカースパニエル描いてくれない?」と言う。
なんのことかわからず、画像を見せてもらうと、犬だ。
「ぼくの彼女を描いてくれない?」なんてのもあったけど、
犬が大切な家族のひとりになった今の時代、
犬を描くというご依頼もあるんだね。
「いやだ、いやだ」と言っていたときの顔が嘘のように、
犬の絵をわたしたとき、ニコニコと喜んでくれた。
彼は、お客さんというよりは、
彼自身も絵を描くことが好きなようで、
一緒にとなりに座って話していた。
「どんな絵を描くの?」とペンと、
スケッチブックを渡してみると、
宇宙人のようなシュールな絵を描くではないか。
彼のジョークもなかなかシュールで
「ねえ、あれ見て。100本の薔薇だね」と言うと、
「いやあ、あれは105本だね」とか、
「あれ、見て。ボーイスカウトだよ」と言うと、
「あれは、ドイツのボーイスカウトだね(嘘)」と
表情をかえずに言ったりする。
夢はなにか聞いてみると
「ロシアのかわいい奥さんと結婚すること」という
なかなか、かわいい夢をもっていた。
(彼は、ウクライナに住んでいるロシア人)
2、3時間近く、となりすわって、
英語の通じないウクライナ人との
通訳もやってくれて、絆が深まってきたぼくら。
さいごのほうに、「実はね、ぼくもうすぐ
ロシア人の女性と結婚するんだよね」と言う彼。
これは彼独特のジョークなのだろうか?
はたまた、事実なのだとうか?
事実だとしたら、ぼくらの絆はなかったことに。
ウソです。おめでとう!
彼女は、クセが強いお客さんで、
ぼくが使っていた白と黒の色鉛筆を
「ゆずってくれ、ゆずってくれ」と言う。
ぼくが彼女の絵を描いてわたすと、
「ワシにも描かせてみんしゃい」と、
ぼくのスケッチブックと筆をとりあげる。
もすごい形相でこちらを見つめ描く女性。
ぼくの似顔絵を描いてくれた。
どうやら、ぼくは、こんな顔をしているようです。
キャラクターだけじゃなくて、絵のクセも強い。
女性がぼくの絵を描いていると、
天使のようにかわいらしい女の子が来てくれた。
「絵は好きだけど、お金をもっていないから」と言う。
そんなお金なんて、いりませんよ。
ぼくは、あなたの笑顔のほうがお金よりも価値がありますから。
そう言って女の子の絵を描く。
はい、さいごは、ぼくの「いい人キャンペーン」でした。
それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
バスキングをやっていると、ふだん出合えない人に出合える。
このときの場所/ウクライナ リヴィウ
現在地/日本 埼玉
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