2104年3月ウクライナの自治区だった
クリミアがロシアが実効支配するようになった。
そんなニュースを耳にしていたぼくは、
ウクライナ人がロシアのことを、
どう思っているのか気になっていた。

バスキング(投げ銭)をやっていると、
ひとりの若者が来てくれた。
絵をじっと見ているので、ぼくが
「絵好きなの?日本好きなの?」と聞いてみる。

「どっちもそんなに興味ないけど、
きみの描く絵は好きだよ」と言う彼。
ああ、こやつはきっとモテるなあ。

英語も話せる彼に、
「ロシアのことどう思う?」と聞いてみた。
「なんで?」と聞いてくる彼。
「だって、ウクライナの土地を、
さらっと自分のものと言ったりするでしょ」と言うと、
静かに彼の地元とロシアの話をしてくれた。

彼の生まれた故郷は、
ニュースにもなっていた
「ここ、ロシアの土地ね」と
ウクライナの土地だったのが、
急に、ロシアのものになった場所なのだ。

だから、田舎に帰ったときも、
3ヶ月までしかそこの場所にいることはできず、
ゆっくりすることはできないと言う。

彼の家族も分断された。
彼のお父さんと彼は、
リヴィウのほうに引っ越ししたものの、
お母さんは田舎での暮らしを離れずに、
今でも同じ場所に住んでいるのだという。

「住むことはできるんだあ」と思ったら、
お母さんも3ヶ月に一度は国境に行き、
ウクライナに入らなければならない生活をしている。

正直、ウクライナとロシアの歴史的背景は知らない。
そんな知らないぼくからこの状況を見ると、
ロシアがどう考えてもおかしく見える。

あらためて彼に聞いてみる。
「ロシアのことどう思う?」と。

「ロシアの政府のことは嫌いだよ。
でも、ロシアが嫌いかと言うとそうじゃない。
ロシア人の好きな友だちもたくさんいるからね」

ぼくは、彼のこの考え方が好きだ。

前田敦子さんがAKBを卒業するときに言った
「私のことは嫌いでも、
AKB48のことは嫌いにならないでください!」
のように、人ひとりと集団は、
分けて考えたほうがいいんだよなあ。

まあ、日本人はこうとか、
この国はこうだとか、言いたくなるんだけどね。
人と集団は分けて考えるという前提のもとに、
この国はこうだったと語ることにします。

この話を聞いたあとに、ケニアで出合った友だちから
「さいきん、どうですか?」とメールが来たので。
「日本では知らないことを知れました」と、
このエピソードについて返信すると、
「ああそれ、池上彰が言ってましたよ」と
友だちらのメッセージが届く。
や、や、やるではないか、池上彰さんよ。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
おかしくない、おかしなことが世界では起きています。

このときの場所/ウクライナ リヴィウ
現在地/日本 埼玉

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