パリでのどがかわいたならば

いま日本では、猛暑で「熱中症に注意」と
いう情報がとびかっていることだろう。
「のどがかわいたなあ」。
と思ってから水分をとるんじゃなくて、
その前に水分をとることが大切なようですよ。

でね、パリを歩いていて、のどがかわいた人に
オススメの場所を見つけました。
シャンゼリゼ通りのおしゃれなカフェ
ではなくてね、マンホールです。

ぼくが真っ昼間にパリの街を歩いていたら、
キョロキョロしていてる、なんだか
あやしいげなアラビアンな男性がいて、
気になって見ていた。

右見て、左見て、もう一度右見てと、
道路をわたる人の模範かのように
首をクルクルとまわしている。

そして、彼は突然、身をかがめて
足元にあるマンホールを開けた。

すっごい急ぎながら、スーパーの白い
ビニール袋をとりだしている。

なんだ？なんだ？

彼は、マンホールから素早く
大きなビニール袋をとりあげ、
なにごともなかったように
どこかへ消えていった。
わずか５秒の話。

白いビニールの中身をよーく見ると、
水が入っていた。
ペットボトルに入っている飲料水だ。
袋は重そうで、１０本とかでなくて、
５０本以上のペットボトルが入っている。

ここからは、ぼくの推測だけど、
彼は道で水を売っているのだろう。
パリでは道で水を売っている人たちがいる。

「水の在庫どこにおけばいいかなあ？」と
考えたときに、そういえば、
地下ってスペースあいてるよね、
マンホールの中でいいじゃん。
と考えたのだろう。

たしかにマンホールの中はひんやりしているし、
気づかれなければ、怒られない。
彼が慎重にまわりを警戒していたのは、
警察にバレないためだろう。
と言いつつ、ぼくには一部始終を見られているけど。

パリでのどがかわいたら、
マンホールを開けてみてはだうだう。
そこには、冷えた水が待っているかもしれない。

いや、熱中症にならないためにも、
のどがかわく前に開けてみては。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい１日を。
あなたもまわりの人も熱中症に気をつけてね。

このときの場所／フランス パリ
現在地／エストニア タリン

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