フランスのマルセイユからニースへ移動して
「KEISUKE MATSUSHIMA」という
レストランでランチを食べてきました。
シェフの松嶋啓介さんがいろんな人と
対談をしている本『バカたれ。』を
読んで、食べにいきたいと思っていました。
突き出し、前菜、メイン、どれもおいしかった。
とくに、ぼくはパンが好きです。
遠慮なく2回もおかわりしたんだけど、
1回おかわりしたあと、外の席だったので、
子どもをつれた物乞いが近づいて来て、
パンをくれというのでふたつあげてしまった。
もう一度おかわりすればいいやと思って
おかわりしたら、ぼくがいちばん好きな
パンだけ入っていなかった。ざんねん。
きっと、あの物乞いは舌がこえてるはず。
本来のグルメレポートなら、なになに産の
どんな食材がどんな味でって語ったほうが
いいんだろうけど、ぼくはほぼなんでも
おいしいと思ってしまう雑な舌の持ち主で
ぼくが食べて思ったことを書くとします。
どの料理も、いろんな調味料や食材を
混ぜて味つけがされていた、というのが
旅中、てきとうな食事しかとっていない
ぼくの感想です。
「味つけ」をするというのは、コストです。
なにせ、ナツメグなんかの香辛料のために
ヨーロッパの各国は戦争しちゃうくらいだ。
戦ってまで味つけをしたいのです。
時間をかけて味つけすればするほど、
食は新しい姿に形を変える。
文なんかも時間をかけて味つけすれば
するほど、新しい姿に形を変える。
ぼくが日本にいったん帰っていたとき、
ぼくが1時間から3時間くらいかけて
書いた『MONKEY CLIMB』の文章を
となりでお姉ちゃんが読んでいた。
超速読で10秒くらいで読みきっていた。
それでいてゲップもオナラも感想もない感じ。
あんだけ、味つけしたのにショックだった。
食事も、文章も、味つけすれば
姿は変わる、でももっと大切なのは、
「おいしい」とか「おもしろい」なんですよね。
つくる側がいくら味つけしたって、
食べる側の「おいしい」がなかったら、
意味がないんだよなあ。
もちろん、「KEISUKE MATSUSHIMA」は
おいしかったですよ。
理想は、食材だけでおいしいように、
体験をそのまま書いただけで「おもしろい」
と思ってもらうことだよね。
それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
一行だけでおもしろいってのが最高のかたち。
このときの場所/フランス ニース
現在地/ポーランド クラクフ
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