コトバはつよい。
コトバは人にチカラを与える。
コトバはいたい。
コトバはこわい。
コトバは歴史になる。

コトバのチカラは、あげたらきりがないほど
コトバのもつ影響力はすさまじい。

でも、コトバがなくても伝わるものがある。
それは、こころから湧き出ているものだ。

セムクチャンペイからトラックに立ち乗りして
ガタガタした坂道を上り下りして1時間、
ランキンという街に着いた。

このランキンまでの道のりは、
トラックの荷台に横乗りすれば、
スノーボード気分を味わえる。

ランキンからグアテマラの南にある
アンティグアへ向かうため、
セムクチャンペイの宿で予約していたバスに乗ると、
どうやら欧米人の女性が、バスの女性スタッフに
向かってすごい剣幕で怒っている。

「バスにエアコンついてるって言ってたわよ」
とか何かを言っている。
女性スタッフは英語をよくわかっていない様子。

アフリカを旅した後のぼくから見ると、
広々として清潔で、快適なバスに見えるが
彼女は気に食わなかったのだろう。

「もういい」という感じで女性は、
連れの男性と一緒に、他のバスに荷物をもって
バスの外へ行ってしまった。
スタッフの女性とバスの運転手はあきれ顔をしている。

2、3分して、その2人は帰ってきた。
他のバスに乗れなかったのだ。

「エクスキューズミー(すみません)、
エクスキューズミー(すみません)、
エクスキューズミー(すみませんったら)」

バスのドアの前に立つ女性スタッフに向かって、
帰ってきた女性が言うも、バスのスタッフは、
振り返らずに聞こえないふりをする。

女性スタッフからしてみれば、
なんでわたしが怒られてるの?というような
気持ちだったのだろう。
英語はわからないけど、嫌な気持ちだけは届いたのだ。

欧米人女性の気持ちもわからなくはない。
事前に誰かに説明されていたのと、
違ったのだから。

このあと女性スタッフは、あきれ顔で
欧米人女性がバスに乗るのを許した。

コトバが伝わらなくても、
相手に届くというのは、
なにも悪い気持ちだけじゃない。
やさしい気持ちも届くものだ。

キューバの宿に泊まっていたときのこと、
なぜか深夜に咳が止まらなくなり、
苦しくなって外の空気を吸っていると、
宿の小さなおばちゃんが、暗闇からさっと出てきた。

みんな寝ているだろうという時間に、
暗闇からやってきたので「ひょっ」と驚いたが、
「カリエンテ?カリエンテ?」とおばちゃんが
スペイン語で何かを言っている。

コトバの意味はよくわからないけど、
どうやら心配してくれているみたい。
とりあえず、「シ(はい)」と言うと、
あったかいハーブのお茶をもってきてくれた。

あとから「カリエンテ」の意味を他の人に聞くと、
「Hot(あったかい)」という意味でした。

不思議なもんで、あったかいお茶と、
あったかい気持ちに触れたら咳は止まりました。

コトバってすごいチカラをもっているけど、
コトバの手前の想いだって伝わるもんだ。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
よくも、わるくも、想いは滲み出ちゃうよね。

このときの場所/グアテマラ セムク・チャンペイ
現在地/チリ プエルト・ナタレス

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