キバレ国立公園でチンパンジーを観ていたとき、
体の大きなオスのチンパンジーが四足歩行で、
前方の草むらからドシッドシッと現れた。

ガイドのおじさんが「道を開けて」と
言ったので、目を合わせずに道を譲ったものの、
なぜかぼくの足元で止まってしまった。
好奇心の目でぼくを見ている。

足元でのんびりしているチンパンジーを
片目に、ドキドキ、ドキドキ。
襲ってこないだろうなあと思いつつも、
筋肉隆々のチンパンジーは大迫力だ。

「彼は自信があるから、人間が怖くないんだ」
ガイドのおじさんが言う。
うん、完全に下だと扱われてたのがわかった。

「彼のカラダは大きいでしょ。
彼は、もともとボス猿だったんだよ。
でも、他のチンパンジーとの勝負に負けて、
今はもといたグループを追い出されているんだ」

「グループ内のボスとボスにチャレンジする
チンパンジーとの争いの決着は、
どちらかが死にいたることも多いんだよ」
ガイドのおじさんが言う。

えっ、すごい怖いじゃん、
チンパンジーの兄貴(アニキ)たち。
ボスになるために死ぬまで戦うなんて。

「どうしてボスになろうとするの?
ボスにならないほうが生きられていいんじゃん」
ぼくは、のほほんと聞いてみた。

「それは、パーソナリティー(個性)だよ」
とガイドのおじさんがさらっと言う。

ボスになりたくて仕方ない個性もあれば、
ボスにまったく興味のない個性もあって、
ボスになんて絶対なりたくない個性もある。

そういえば、人間界だってそうだよね。
ボスになりたい人もいれば、
そうじゃない人もいるよね。
「ボスになりたいというのも個性のひとつ」
というのは、腑に落ちる。

ただ、どんなにボスに興味がない人でも、
どんなにボスになりたくない人でも、
ボスにならなければならないときがある。
それは、自分の人生のボスです。
自分の人生のボスは他の人に譲ってはいけない。
ウホッウホッ、ウッホッホ。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
誰だって、自分が、自分自身のボス。

このときの場所/ウガンダ キバレ
現在地/メキシコ

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