今日はザンビアからマラウイへ移動したときの
出来事をのらりくらり書くとします。

ザンビアの南にあるリビングストンから
バスに乗って中心にある首都ルサカについた。
この街は経由地点とだけ考えていたので
次の日の朝6時に出るマラウイ直通の
バスチケットを購入して、
その日は近くの宿に泊まることにした。

次の日の朝、
予定通りの時刻にバスターミナルへ行き、
乗るバスの側面に大きな荷物を積みこむ。

バスの入り口で「出発は6時だよね?」と、
出発時間をバスのスタッフに確認して
近くで朝ごはんと水を調達をする。
5時45分にバスに戻ったとき、事件は起きた。

バスの前でたくさんの人がもめているぞ。
なんの騒ぎかのぞいて見ると、
ダブルブッキングでバスに乗れないのだという。

「ああ、かわいそうに」と横目に見ながら、
もめてる人の間をスルリと通り抜け、
バスに乗ろうとすると、
「お前もバスに乗れないぞ」と
バスのスタッフが言うではないか。

「えっっっ、オレもー!?」と
思わず日本語がとび出た。

「シートナンバーも書いてあるでしょ」と
ぼくがチケットを見せて言っても、
「スタッフがチケットにサインしてないからダメ」と
悪そうな顔を一斉せずに言うバスのスタッフ。

もめているうちに、「プッ、プッ、プー」と
クラクションを鳴らしながら、
バスが動きはじめるではありませんか。
自分の大きな荷物をバスの側面から取り出し、
無情にも置いていかれる。ああ、バスよ。

まわりを見回してみると、
チケットを持っているのに乗れていない人は、
ぼくの他にも10人くらいいて、
ダブルブッキングならぬ、
ディカプルブッキングだ。

バスの定員が決まっているのに、
こんなにもバスのチケットを売りさばくなんて、
大それた商売根性。
逆に笑けてくるじゃありませんか。

10人でバスの会社のスタッフを取り囲み、
マラウイ直通のバスではないけど、
ザンビアとマラウイの国境方角へ向かう
チパタ行きのバスに乗ることになった。

だが、チパタ行きのバスのスタッフがぼくに
「荷物代払え」と言ってくるじゃありませんか。
直通のバスに乗っていたら、荷物代はなかったので、
直通バスのスタッフに「代わりに払って」と頼んだ。

「いやだ。自分で払え」と言うスタッフ。
ディカプルブッキングにまったく悪びれてない。
これには、さすがに腹を立てたぼくは、
「あんたが払え」と言い、チパタ行きのスタッフと
直通バスのスタッフにやりとりをさせる。

なんとかかんとか追加料金なしに荷物を
のせることができ、バスに乗り込む。

ぶじチパタに着いて、マラウイの国境へ向かう
シェアタクシーに乗ろうとすると、
運転手が「40クワチャ、荷物は10クワチャ」
だと言ってきた。

先にタクシーに乗っていたお客さんに
いくらなのか聞いて見ると、
「30クワチャだよ」と言うじゃありませんか。

この日のぼくは乗るはずのバスにも乗れず、
機嫌がわるい。「なんで、騙すんだよ」と
運転手とその取り巻きに言ってかかる。

ごまかそうとしている彼らに、
不機嫌な態度をとっていると、後ろから
「Be strong(強くなれ)」と声が聞こえてきた。

後ろを振り返ると、スカーフを二重に巻いて、
どこか不思議な雰囲気を醸し出す男が立っていた。
ぼくの目を見てもう一度言う。
「Be strong」と。

そして、アントニオ猪木の闘魂注入のように、
ほっぺたをビシビシと叩いてくる。
知らないザンビア人に気合いを入れられても、
まったくもって、ありがたくない。

男は自分の首に巻いているスカーフを持ち上げ、
着ている黄色いTシャツの胸に書かれた、
「LIVE STRONG」というメッセージを見せつける。
自転車選手のアームストロングのキャッチコピーだ。

わかったよ。強く生きるよと言う気持ちで、
「ありがとう」とその男に言い、
運転手と取り巻きと交渉し、
現地人と同じ価格にしてもらう。

ぼくがシェアタクシーに乗り込むと、
開いた窓から「Be strong」の男が
「オレはお前のこと忘れないぞ」話しかけてくる。

男が目の前に拳を出してきたので、
拳をつき合わせて、さよならの挨拶をする。

車が動きはじめると、
「Be strong」男がぼくのミサンガに
手をかけて、引っぱるじゃありませんか。
ミサンガを盗もうとしてきたのだ。

彼の手を思いっきり振り払うと、
ミサンガに絡まって痛かったのか、
「ヒーーー」とショッカーのような声で
窓からはなれ、逃げていった。

いったいなんだったんろう。
Be strong man

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
へえ、Be strong、オレ。旅人。

このときの場所/ザンビア チパタ
現在地/日本一時帰国

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