昨日はトゥルミという小さな村にいる
「お山の大将」の話をしました。
あなたがもし、お山の大将のいる村にいたら、
どう生きるでしょうか?
今日は、そんなお山の大将一派を見て、感じ、
考え、動く、ひとりの子どもの話です。
ハマル族の彼の名は、シェロ。
学校に通うために、家族とはなれ、
ひとりでトゥルミに住んでいる。
彼は自分のことを7歳だと言ってるけど、
ハマル族には年を数える文化がないため、
正確な年齢はわからない。
見た目からして、7歳よりも上だと思う。
シェロは、ぼくがトゥルミの村につくと、
泊まろうとしているホテルに案内してくれた。
彼は、丁寧な英語で民族のことや
この街のことを教えてくれる。
村の大将の手下が「(ハマル族のいる)マーケット
に入るなら、お金を払え。」と、
ぼくのことを騙そうとしてきたときも、
「ぼくが言ったって言わないでね。」と言いながら、
マーケットに入るのに入場料が
必要ないことを小さな声で教えてくれた。
他にも、村の大将一派が村への入場料を
高い見積もりで提示してくるのに対して、
本当に払う価格を教えてくれるシェロ。
村の大将一派が、多くの観光客から
お金を騙しとってるのを間近で見ている彼に、
「キミはなんで正直でいるの?」と聞くと、
「だって、ぼくが友だちに嘘をついたら、
その友だちは、ぼくの言うことを
聞いてくれなくなるだろう。」と
彼はたんたんと言う。
ほんとうに7歳かいな?
いや、7歳だからこそ、
純粋に考えることができるのだろうか?
彼は、将来的にはガイドになると言うので、
「騙して稼いでもインターネットがある時代には、
騙したとことがバレてしまうよ。
それよりも、正直に稼いだほうが、
インターネットによっていいガイドだよと
紹介されて、もっと稼ぐことができるんだ。」
とぼくがアドバイスを送る。
「そんなの知ってるよ。」というような顔で
うんうんと頷きながら聞いていたシェロ。
こんなに小さな子どもが、
村の大将一派にはマネできない「信頼の法則」
のようなものを知っているようです。
「20歳になる頃、牛をジャンプする
成人儀礼に無料で招待するよ。」と
ぼくに言ってくれたシェロ。
村の大将一派がいる村で、新しい芽が育っている。
これからどう育って、迷って、ぶつかって、
どんなおとなになっていくのか、とても楽しみだ。
これは、「正直者の挑戦」と言ってもいいだろう。
ちなみに、ぼくがトゥルミを離れる日に
「ぼくに、何かちょうだい」と彼が言ってきた。
なんだか、少し強い口調になっている彼に
嫌な感じがしたが、
ソフトドリンクを買える程度のチップを
渡すと「ありがとう。」と言って、
スキップしてどこかへ消えていった。
それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
今、何がほしいって、信頼がほしいよ。
簡単に手に入らないから、こんなことを言ってみる。
このときの場所/エチオピア トゥルミ
現在地/ナミビア ウィントフーク
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