当たり前をうたがう

ペトラに向かうバスに乗っていたときのこと。
男性が前のほうの席、女性が後ろのほうの席
と分かられて座っていた。
きっと、男女を分けて座らせる文化があるのだろう。

で、バスに座っていると、前のほうから
煙がもくもくと立ちのぼってくる。
当たり前のように、乗客がバスの中で
タバコを吸ってるじゃありませんか。

しかも、その煙がラクダのような顔をした
怖そうなあんちゃんに、ふりかかっている。
「おい、タバコ吸うんじゃねえよ」
「いいじゃねえか」
そんな喧嘩がはじまってもおかしくない。

そんなことを思いながら、
煙のいく末を見てたんだけど、
怖そうなあんちゃん何も言わないでいる。
何分かたつと、そのあんちゃんも
タバコをバスで吸いはじめた。

彼もスモーカーだったので、
人の煙に文句のつけようがなかったのだ。

今は禁煙の場所が多い日本でも、何十年か前には、
当たり前にオフィスでタバコを吸っていた
と聞いたことがある。

オフィスの中がタバコの煙で曇っていて、
室内にあるものすべてが
タバコ臭くなっていたという。

でも、今じゃ当たり前のように分煙が進んでいて、
タバコの吸わない人のために、
パソコンを叩きながら、オフィス内で
タバコを吸っている人は少ないと思う。

いつ頃からか、ルールや状況が変化しているのだ。

バスステーションに来るさい、タクシーを使った。
インターネットで調べてみると、タクシーは
乗る前に交渉をしなければいけないというので、
「２JDで行ってくれませんか？」と
交渉をしてみたのだが、
運転手に「メーター使うよ」と言われ、
拍子抜けした。

ほんのちょっと前と状況が変化しているのだ。

今は当たり前でも、
来年は当たり前かどうか、わからない。
今は当たり前じゃなくても、
２、３年後になったら当たり前になってる
こともあるだろう。

日本では立ちションが
法律としていけないことになっているけど、
ラオスでのトイレ休憩でバスが停まったときに
トイレが見当たらないので「トイレどこ？」
と運転手に聞いたら「EVERYWHERE」って
言われたっけなあ。

国が違えば当たり前が違うように、
時代が違えば当たり前も変化するよ。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい１日を。
「EVERYWHERE」Tシャツつくったら、
買ってくれる人いるかなあ。
「そんなの売れないに決まってる」だって？
そんな当たり前だって、変わる可能性あるんだから。

このときの場所／ヨルダン アンマン
現在地／マダガスカル

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