オランダでは2018年1月1日から、
ストリートハラメントに対して
190ユーロの罰金が課せられる。
日本円にして、24500円程。

セクハラとかパワハラは聞いたことあるけど
ストリートハラスメント略してストハラは
耳慣れていない言葉だよね。

男性が、道歩く女性に向かって
「かわいいね、オレと遊ばない?」や
「セクシーだね」「美人だね」と言ったり、
つきまとったりする嫌がらせのことを言う。

「えっ!?そんなこと言われるのが嫌なの」
「それじゃあ。どうやってナンパするの?」
「美人って言われたらうれしいでしょ?」と、
思ってしまった人もいるかもしれない。

ぼくも、あれ、オランダの自由はどこへ行った?
なんてことを、つい思ってしまった。
それは、女性への想像力が足りていない証拠だ。

オランダでは、売春が合法化されていて、
アムステルダムには、レッドライト
(飾り窓)と呼ばれる売春地区があります。

赤いライトに照らされた
いくつもの全面ガラス張りのドアが
ショーウィンドウのようになっていて、中で
女性がセクシーな衣装を着て立っている。

韓国人女性とレッドライトの道を歩いたんだけど、
その前にレッドライトミュージアムに入った。

そこには、レッドライトの歴史や現実、
知らない世界が展示されていた。
ぼくがいちばん印象に残ったのは、
レッドライトのドアの中にいる女性が
どんな視線を浴びているかを
体験できる映像ビジョンでした。

その映像ビジョンの前に立つと、
等身大の通行人が窓の前を歩いて、
偏見の目で見て通り過ぎたり、
立ち止まって、いやらしい表情を浮かべる。

たった数ミリの窓を隔てているだけなのに、
なんなんだろう、この視線、この気持ちは。
見られるという行為は、これほどまでに
気持ちのよくないことなのだろうか。

売春婦として働く人の動機は、人それぞれ
だけど、なかには、男性に働かざるをえない
状況をつくられてしまい、
働いている女性もいると言う。

そして、彼女たちは、自分で部屋を借りて、
部屋を掃除し、男性を招き、値段交渉をし、
行為をして、対価としてのお金をもらう。
とても、自立した存在なんです。

売春婦の彼女たちが感じる視線を体験して
レッドライトミュージアムを出たあと、
正直、ぼくは、どんな顔をしてレッドライト
を歩けばいいのかわからなかった。

ふくざつな感情がぶくぶくと泡を立てていた。

ただ、見る側と見られる側ってのは、
受けとり方がぜんぜん違うというのを知った。

ぼくの考えは、売春婦にとっては、
泡のように、なんの役にも立たない。
金払いのいい客のほうが役に立つ。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
相手への想像力ってのは、むつかしいもんです。

このときの場所/オランダ アムステルダム
現在地/アメリカ ポートランド

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