とつぜんですが、亡くなられた偉人や異人の方にインタビューをするという企画、名づけて「イジンタビュー」を考えました。
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記念すべき第一回目のゲストは、サグラダ・ファミリアなど世界遺産に登録される数多くの作品をつくったスペインの建築家アントニ・ガウディさんです。どうぞ、よろしくお願いします。
いやあ、スペイン滞在中には、サグラダ・ファミリア、グエル公園、カサ・バトリョ、グエル邸、カサ・ビゼンス、コロニア・グエル教会に行ってきましたが、どれも細やかな工夫が凝らされていて素晴らしい建築でした。
ーガウディ
おいおいおいおい、お前、カサ・ミラは行ってないのか?
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す、すいません。以前行ったことがあります。怒らないでください。
ーガウディ
すまん、すまん、怒ってはないぞ。わたしは、人との関わりやコミュニーケーションが少し苦手でなあ。
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ああ、ガウディさん、結婚もされてないですもんね。
ーガウディ
おいおい、最初の質問からとばすねえ。別に結婚してる人が偉いってわけじゃないぞ。それに、わたしは人生で3度、恋をしている。まあ、どれもフラれてしまったがなあ。
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へえ、女性に興味はあったんですね。建築にしか興味がわかないのかと思っていました。それにしても、こんなに素晴らしい方がフラれてしまうなんて。
ーガウディ
そうか?(どこかうれしそう)1人目の女性は恋をした時にはすでに婚約されていて、二人目の女性は修道院のシスターになってしまって、3人目の女性にも婚約者がいたんだよ。
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むつかしい恋をされてきたんですね。幼少期の頃は、どんな子どもだったんですか?
ーガウディ
生まれる前に兄と姉が亡くなっていて、その分、母親にはたくさんの愛情をもらったよ。ただ、生まれてすぐにリウマチになって、友だちと走り回ったりはできなかったなあ。
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手足の関節が腫れたり、痛んだりする病気ですね。それは、つらかったでしょうね。
ーガウディ
みんなは元気に走り回っているのに、自分は足が痛くて歩いて学校に行けなかったり、当時は孤独を感じたなあ。でも、今考えると、悪いことばかりではない。
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と言いますと?
ーガウディ
走り回ったりできなかったことで、立ち止まって虫や植物を誰よりも観察すことができたし、リウマチによって、骨で立つということをつよく意識することができた。この2つは、わたしの建築に深く関わっているよ。
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たしかに、どの建築物にも、自然を感じさせる曲線や、やわらかさ、骨のような強さを感じました。
ーガウディ
すべての建築は、自然を真似しているんだ。すべての答えが自然という教科書の中には書いてあるからね。
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自然を感じさせる建築は、装飾としても美しいんですが、機能としても、すばらしいことに驚きました。
ーガウディ
へんにクリエイティブであろうとして、ムダなものを付け加えているわけではないんだよ。
自然をよーく観察して、それをよりよくしようとするだけでいい建築はできる。自然から学んだ構造は、美しくて、合理的で、長持ちするし、経済的でもあるんだ。
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それは、クリエイティブをあきらめるということですか?
ーガウディ
ああ、世の中に新しい創造などなくてね、あるのはただ発見だけなんだよ。生まれながらにクリエイティブな人間なんていない、観察をして発見すればいいんだ。
それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
スペインは、ガウディ建築ばかり回ったので、建築物を紹介する前にインタビューしました。
このときの場所/スペイン バルセロナ
現在地/ドイツ ベルリン
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