アルゼンチン パタゴニアにいたときのこと、
同じ部屋だったオランダ人がナイスガイで
オランダのお菓子をくれた。ただ、
これがなんとも表現しがたい味をしていた。
それでいて噛みきれない硬さ。
どうやらそれは、ドロップ(drop)という
オランダ人が愛するお菓子らしい。
ドロップをコトバで説明しようと試みてみます。
見た目は黒くてオレオのようでいて、
硬さはスルメイカのようでいて、
味は漢方薬のような不思議なグミだ。
一個食べて「どう?」と聞いてくるので、
「今まで食べたことない味」とだけ答えた。
「もう一ついる?」と彼が聞くので、
「ありがとう、大丈夫」とことわった。
正直、おいしいとは思えなかったんです。
次の日、朝起きるとオランダ人の彼は
先に目覚めていて、支度をしていた。
まだベッドの上でむにゃむにゃしてるぼくに
「食べる?」と言って彼はドロップを渡してきた。
ぼくは寝ぼけてたもんで「うん」と
言いながら、手をドロップへ伸ばす。
しまった、昨日はもういらないと思ってたのに。
ベッドの上にいながら、ドロップを口にし、
噛んでも噛んでも独特な味がする。
30秒くらい噛んでいたときのことだ、
口の中でゴリゴリと変な感触がするぞ。
「なんだ?」と思って口の外に出すと、
歯の詰め物ではありませんか。
おい、オランダ人、おい、オレ、おい、ドロップ。
まあ、嘆いても仕方ないので、落ち着くとしよう。
鏡を見ながら詰め物を戻そうと思っても、
戻らない、こりゃ歯医者いかないとダメだ。
バリローチェで歯医者さんを探し、
スペイン語しかわからない女医さんだったけど
なんとかかんとか詰めてもらうことができた。
いや、おそるべしです。
オランダのグミ「ドロップ」。
そして、「ドロップ」を愛するオランダ人。
いや、あれをよく食べるんだから、
相当タフな顎になってるはず。
そして、ぼくは見逃さなかった。
オランダ人の彼の友だちのオランダ人女性が
チェックアウトする寸前に何日か前に
床に落としたであろうドロップを
「あっ、ドロップだ!」と言って、
床から拾い上げ口にしていたことを。
床に落として3秒以内なら食べて大丈夫、
「3秒ルール」とか言ってる
日本人には、信じられない行為だ。
おそるべしや。
ドロップ食べるさいは心してほしい。
それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
ピュレグミの感覚で行ったらやられるぞ。
このときの場所/アルゼンチン パタゴニア
現在地/スペイン マドリード
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