ムルシ族の村からジンカまでヒッチハイクをした。
ヒッチハイクといっても、エチオピアの場合、
有料で、交渉をしなければならない。

乗せてくれたトラックのうんちゃんが、
日本に帰ったら、エチオピアの王ことを
日本人に伝えてくれというので、
ここに書くとしよう。

エチオピアの王は、自分勝手で、
国民を大事にしていない、と彼は言う。

国民の5%は、王や、王の家族のためわ
富を豊富に持っているが、
それ以外はお金持ちではない。

アメリカからお金をもらい、
特殊警察をソマリアという危ない国にも
送ってるんだと言う。

王が富を配分しないから、
食糧不足によって民族同士の戦いが
はじまるなどの悪循環にも陥ってる状況。

でも、テレビや新聞など、
王のことを批判するメディアはなく、
王を批判なんかしたもんなら、
逮捕されちゃう。
発言の自由がなくて、多くの人は
こころに不満を抱えてるんだと言う。

あくまで、ひとりのおじちゃんの視点であって、
どこまで事実かはわからない。
だから、ぼくを逮捕なんかしないでね。
王よ。

偉い立場にいる人と、
「エラいなあ」と思われる人ってのはちがう。
ぼくはそう思う。

ジンカのレストランが併設されている
ペンションに泊まっていたら、
「こっちにおいでよ」と、
おじさんが手招きしてきた。
ハニーワインを飲んでいるおじさんと、その運転手。

おじさんの職業を聞くと、アカデミーの先生で、
バイオロジーを教えているんだと言う。
運転手もついてるんだから、
とても偉い立場の人なんだろう。

「ジンカで作られたハニーワイン飲みなよ」
と言うので、お酒は得意でないが
お言葉に甘えて一杯いただくことに。
おじさんが飲んでいるボトルからグラスへ注ぐ。

飲み終わると、ボトルの代金の半分を払えと
言いはじめるおじさん。
「これ、エチオピアの文化だから」って。
「はっ、10分の1も飲んでないんだよ」と
ぼくがしかめっ面で言うと、
じゃあ「4分の1でいい」と言うおじさん。

そんな文化、サイテーだなあと思いながら、しつこいので仕方なく払うことに。

あとから、他のエチオピア人に聞いたら、
やっぱり、そんな文化はないと言う。
先生という偉い立場にいる人間が、
なんでそんなちょっとのお金のために
外国人を騙すかなあ。

一方、ぜんぜん偉い立場でない子どものことを
ぼくは「エラいなあ」と思った。
小学生くらいの彼らは、嫌な顔ひとつせずに、
川で牛の内臓を洗っていたのだ。

食事中の人には申し訳ありませんね。
洗ったことがある人なら当たり前に知ってる
ことなのかもしれないけど、牛の内臓って、
ハエがたかるくらいウンチまみれなのよ。

それを真剣にていねいに洗う姿を見てたら、
目に熱いものを感じたよ。
まさか、ウンチ見て感動する日が来るとはね。

偉い立場にいる人がエラいんじゃなくて、
「エラいなあ」と思われる人が、
本当はエラいんですよね。

昔、毎朝トイレ掃除をする社長さんが
いるってテレビで観たことがあるけど、
これって偉い立場と「エラいなあ」の距離を
縮めるような行為だったのかもね。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
立場より行動ってことかなあ。

このときの場所/エチオピア ジンカ
現在地/ナミビア

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