エジプトにあるたくさんの石像を観ていて、
あることを発見した。
決して歴史に名を残すような発見ではない。
聞く人によれば、どうでもいいような、発見だ。
エジプトにある多くの人間の石像は、
王冠のようなものをかぶっていたり、
顔にメイクをしていたり、
アクセサリーを身につけている。
でも、足元を見てみると、裸足なのだ。
「それがどうしたんだ?」と思うかもしれない。
ただ現代の世界で考えてほしい。
たとえば、つばの大きな帽子をかぶっていて、
お化粧ばっちりで、
宝石をジャラジャラと身につけた貴婦人が
銀座の通りを裸足で歩いていたら、
「あの人、どうしたんだ?」と思わないだろうか。
ぼくは、不思議に感じた。
ぼくは無論、研究者ではないので、
この時代の人が本当に靴をはいていたか、
いなかったか証明できない。
ツタンカーメンのお墓には、
サンダルのようなものが発見されているので、
なくはなかったのだろう。
ただ、もっと昔には、はいてなかった
ということは十分に考えられる。
もちろん、石像を作った人が、面倒だから
靴は省略しようと判断した可能性もある。
で、はいてなかったという程で
話を進めさせてもらうと、
人の優先順位というのは、自由で、
後になってみないとそれがよかったのか、
わるかったのかわからないものなのだ。
エジプト考古学博物館で、こっそりと
日本人ツアーのガイドの話を聞いていると、
石像になっているその王、つまり男性は、
魔除けのために、メイクをしてたのだという。
そう、その石像の足も裸足だった。
今の時代の日本人が同じことをしていたら、
「化粧よりも靴が先だろ」とツッコミが入るだろう。
でも、彼らにとっては、足に感じる痛みよりも、
得体の知れぬ災害に襲われるほうが避けたかったのだ。
明日のテストの勉強よりも先に、
お笑いのテレビを観たり、
恋人へのメールの返信よりも先に、
恋愛ソングを聴いたり、
ご飯を食べるよりも先に、
本を熟読したりと、
人間の優先順位というやつは、
とっちらかっている。
でも、とっちらかってるのが、
今も昔もかわらない人間の姿なのかも。
それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
何が大切かなんて、自分にしかわからない。
このときの場所/エジプト カイロ
現在地/マダガスカル
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