アスワンにある「切りかけのオベリスク」
に行ってきた。
価値のないとされるようなものから、
価値のあるものをつくる
クリエイティブを見ることができた。
そもそもオベリスクとは、ピラミッドの代わりに
古代エジプトの太陽神に捧げて建てられる
大きな石の柱、記念碑です。
神殿の近くに建っているオベリスク。
柱の先端がピラミッドのようなかたちになっていて、
側面にはヒエログラフ（古代エジプト文字）
が彫られている。
で、ぼくが行ったのは、大きな岩場。
そんなオベリスクが生まれる石切場です。
そこには「切りかけのオベリスク」が岩の中に
埋まっていて、どんな風にオベリスクが
切り出されていたのかが想像できる。
なんで、そのオベリスクが切りかけかというと
岩を掘っている途中でオベリスクにヒビが
入っちゃったのだと。
長さは４１.７５m、推定重量は約１１６８ｔ
完成していたらエジプト最大のオベリスクに
なっていた。
「あとちょっとで完成」というくらいに
掘り出されているので、
ヒビが入っちゃったときは、
掘っているみんな、青ざめただろうなあ。
古代エジプト人が失敗したおかげで
これを現代の人が見られるわけで、
失敗してくれてありがとうと言いたいね。
で、この石切場はなんの変哲もないただの岩場で、
「切りかけのオベリスク」がなければ、
誰も立ち止まらないような場所だ。
そんな場所、つまり価値がないように思われる場から、
太陽神に捧げるような価値のあるものが
掘り出されるなんて、すごいなあ。
これは、THEクリエイティブな気がする。
なんて言ったって、材料費タダだしね。
洋服だって同じだよね。
カイコから価値のある糸が吐き出され、
糸から価値のある布ができて、
布から価値のある洋服になって、
洋服から価値のある時間が生まれる。
すべての価値のないとされるものが、
価値のあるものへ変わる可能性を秘めている。
ひょっとしたら、全ての素材は、
価値になることを待っているのかも。
それでは、今日も、明日も、明後日も、いい１日を。
価値をつくるってのは、失敗もあるだろうね。
このときの場所／エジプト アスワン
現在地／マダガスカル
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