国であって、国として認められていない。
地理的にアゼルバイジャン側にあるけど、
アルメニア側の国、という不思議な国、
ナゴルノ・カラバフに行った。

この地に多くのアルメニア人が住んでいるため、
アルメニアは国の一部としたいものの、
アゼルバイジャンがそれを認めなくて、
「ナゴルノ・カラバフ共和国」という
国として独立を宣言したのだという。

ただ、国として認めているのは、
国として認められててない
他の未承認国家のみなのだとか。

アルメニアの人から聞いた話では、
未だに、アゼルバイジャンとの国境付近では、
今でも争いが続いていて、
何週間か前にも人が亡くなったという。

どんな国なのかと、あまり情報もないまま、
入ってみると、アーミーはたくさんいるものの、
ゆっくりとした時間の流れる
外国人にやさしい街だった。

シューシの街を歩いていると、
通りすがりに「こんにちは」と
ぼくが話しかけたのがうれしかったのか、
「街を案内してあげるよ」と言ってきた
顔の小さな18歳のカーゴくん。

「お金はもってないよ」と断りをいれて、
うたがいながら案内してもらうことに。

(「案内してあげるよ」という人は、
たいてい最後にお金を求めてくるという
悲しき旅人あるあるが染みついているため、
うたがわざるをえなくなってしまった)

カーゴくんは英語をしゃべれないながら、
「フォトスポット、フォトスポット」と、
教会やモニュメントを紹介してくれた。

シューシの街は、紛争地域だったと
インターネットで調べていたため、
どうしても爆撃の跡などに目がいってしまうが、
彼が「フォトスポット」と紹介してくれた場は、
新しくできたものや、
希望を示すようなモニュメントだった。

考えてみれば、そりゃそうだよね、
自分たちの悲しい思い出の場所を、
「フォトスポット」と言って紹介するはずがない。

ぼくはどこかで銃弾の跡など、
紛争の痕跡を見ることを期待していたようだ。

最後の最後までお金を求められることなく、
携帯電話の番号を教えてくれてお別れ。
(お互いの国の言葉をしゃべれない)

うたがってごめん、そして、ありがとう。

紛争地だった場所に、新しい建物だけじゃなくて、
彼のようなやさしい命も咲きはじめている。
こういう人間が育っていることを希望だ。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
ナゴルノ・カラバフの写真は、また明日。

このときの場所/ナゴルノ・カラバフ ステパナケルト
現在地/ギリシャ サントリーニ島

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