ブッタの物語をご存知でしょうか?
子どもの頃手塚治虫さんの描いた『ブッタ』を
読んだことのある人は多いかもしれません。

ざっと、バラナシという場所に関わる
物語だけを引っぱってくると、
シッダールタは、人間の4つの苦しみ
生・老・病・死の答えを求めて出家したという。
6年間のきびしい苦行のあと、
苦行が悟りを開くための道ではないと気づき、
バラナシにある大きな菩提樹という木の下で
深い瞑想を行い、悟りをひらき、ブッタとなった。

マハーボディ寺院の裏にある
ブッタの大菩提樹の近くに行くと、
今でもいろんな国から僧侶が来ていて、
木に向かって瞑想をしている。

ぼくも瞑想というか、
目をつむって座ってみたんだけど、
涼しくて居心地のいい場所だ。
数分間、目をつむってるだけでは、
なんも悟ることなんかはできない。
それは、ぼくもわかっている。

ただ、この場所に来たことで、
あることに気づいた。
それは、「僧侶だって足が痺れる」ということ。
「なんじゃそれ」でしょ。
ぼくの目の前で座禅をしていた
タイかどこかの僧侶が
脚を「イテテテテ」という感じで、
脚を伸ばしていたのです。

「そんなの人間なんだから、あったり前じゃないか」
と思う人もいれば、
「そんなの修行が足りんのじゃ」なんて
言う人もいると思う。

後者の人は、人の痛みに対してどこか鈍感で、
こんなことを言ったりもするかもしれない。

僧侶なんだから足痺らせるな。
悪役プロレスラーなんだから痛がるな。
オリンピック選手なんだから緊張するな。
お笑い芸人なんだから、なんでも笑えるように返せ。

ほんとうは、
名前の長いえらい僧侶だって足が痺れるし、
悪役プロレスラーだって叩かれたら痛い、
オリンピック選手だって緊張で足が震える、
すべてを笑いで返すお笑い芸人だって誹謗中傷をあびれば傷つく。

人間ってそういうもんでしょ。
そうブッタは言ったとさ。
いや、言ってませんけどね。

それに気づいたことだけでも、
菩提樹の元に来てよかったよ。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
みんなの「やさしい」の手前にあるものでした。

このときの場所/インド ブッダガヤ
現在地/ネパール ポカラ

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