デリーでバスの前方の席に腰掛けていると、
おじさんに「席を立て」というような
ジェスチャーをされ、席を譲らされた。

どうやら、英語やサインは書いてないけど、
優先席だったみたい。
よくよく観察していると、バスの前方席は、
女性やお年寄り、盲目の人の優先席で、
若い男性は後ろの方にに座っている。

おじさんと言っても、50歳くらいだろうか。
日本だったら、現役で働いてる年齢なので、
立っていることに気がついても、
席を譲らないくらいの見た目だ。

そのおじさん、席に座るやいなや、
新聞紙に包んでいたお弁当を食べはじめる。
車内にスパイスの香りをぷーんと放つ。
周囲をぜんぜん気にせず、
もくもくと食べつづけ、ついには完食した。
いやあ、つよいなあインドのおじさん。

デリーの電車でも、若者が半強制的に
おじさんに席を譲らざれているところを目撃した。

7人席に7人で座っていたのに、つめろと言って、
0.3人程のスペースに、お尻をねじ込むおじさん。
おいおいと笑いながら、席を立つ若者たち。
そのおじさんも50代くらい。
いやいや、つよいよ、インドのおじさん。

つよい。
つよいという言葉に毒を注入すると、図々しい。
インド入国」のときから、
この図々しさを味わってきたが、
この図々しさは、たまに羨ましくなる。

話変わって、
デリーのバスは、バス真ん中にあるドアから乗って、
運転席近くのドアから降りる仕組みになっている。
バスに乗ると、ドア右側にお金を回収する人が
座っていて、その人にお金を払うのだ。

バスの後部に座っていると、
あることに気がついた。
お金払ってない人がいるぞ。

いや、それもまさかだけど、
お金を払っている人のほうが少ないくらいだ。
それに対して、お金を回収する係の人は
何も言わない。
松本人志さんだったら、「かっんがえられへん」と
言ってもおかしくない状態だ。

貧しい人は払わなくてもいいというような
仕組みがあるのかしら。
それとも、こっそり運転席で払ってるのかな?

っということで、真相を確かめるに、
みずから実験をしてみた。

いつものように真ん中のドアからバスに乗り込み、
なにくわぬ顔で後部座席に腰をかける。
本来であれば、少ししたらお金を払いに
行くもんなのだが、ここは動かず山の如し、
じっとだまって席から離れないでいる。

そして、当たり前のような顔をして、
すくっと立ち上がり、バスを下車する。
何も言われず、バスは走り去っていく。

はい、お金を払わずにすんでしまったよ。
インド人しかいないバスに乗りこんだ日本人だから、
さすがにつっこまれるかなと思ったけど、
無事におりることができた。
(なにを持って無事なのかは、わからない)

勘定をする係の人が、寛容なのか、適当なのか、
働く気がないのか、理由はわかりません。
ただ、たくさんの人が「むちん」であることは、
わかったぞ。

あっ、これ、実験ですからね。
夏休みの自由研究みたいなものですよ。

たとえ、ぼくが政治家になったとしても、
このネタを使って脅してこないでね。
よい子、わるい子、ふつうの子は、
もちろん、お金払ってね。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
これは、文化人類学の研究とも言ってもいい。
って、都合がよすぎるか。

このときの場所/インド デリー
現在地/ジョージア トビリシ

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