いちど、人に騙されてしまうと、
はじめて会った人に対して、
なにをもってを信頼できる人かどうか
判断するか考えどころである。

インドネシアのタンココでも、
見知らぬ人とのはじめての出会いというのがあった。

砂浜で散歩をしたあとの帰り際に
ビーチの入り口で宴会のように
盛り上がってるグループがいるじゃありませんか。

ホテルに帰るには、この集まりの間を
通り抜ける必要があるのですが、
しらーっと通り抜けようと思うと、
いきなりガタイのいいおやじさんに
握手を求められるじゃありませんか。

おやじさん「どこの国からきたんだ?」
ぼく「日本だよ」
しまった、日本ということで金持ちだと思われるのでは、、、

ぼく「何の集まりなの?」
おやじさん「人が亡くなって、その人を弔うためにね」
ぼく「アイムソーリー」
おやじさん「40日たったから大丈夫。よかったら、座っていかないか」

日本でいう四十九日のようなものだろうか。
そんな親戚同士の集まりに、見知らぬ外国人を
引き止めるなんてフレンドリーすぎるでしょうが。
と思いながら、とりあえず椅子に浅く腰掛ける。

おやじさんは、男性が腰かけている椅子にある
怪しげな薬草のようなものが入った液体の瓶を
手にして「メディスンだ、飲んでいけ」と言う。

瓶にはバーコードはもちろん、
商品表示の入ったラベルも貼っていない。
よくいえば、ハンドメイド、
わるくいえば、どこのものかもわからないブツだ。
この液体を飲まされて、中には睡眠薬が入っていて、寝かされ、
身ぐるみはがされるのではという最悪の事態まで想像する。

おやじさん(カズマン)が瓶の液体を「カーッ」と飲んで、
顔をりんごのような色にする。
次はお前だとグラスを渡す。
メディスンと言いながら、明らかに酒だ。

おじさんが先に飲んだのを確認したので
睡眠薬は入っていないだろう、勧められるままに
同じグラスで、怪しげな液体を一気に喉に流す。
「グッオーー」アルコール50度近くの酒だ。
もともと酒の弱い自分にとっては罰ゲームだ。
自分の変顔にそこにいた女性たちが笑う。

聞いてみると、これはインドネシアでは伝統的なお酒で、
みんなでひとつのグラスで分けて飲むのだという。

むかしの人が言う、同じ酒を同じグラスで飲むというのが
信頼をつくるというのはただの本当だ。
酒でも鍋でも、同じものを分け合うことが信頼につながる。
そんな、むかしから伝わる信頼の方法を、
今の時代に、こうして感じたのです。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
なにをもって信頼できる人か、信頼できない人か、
まだまだわかりません。

この時の地点/タンココ自然保護区

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