夕暮れに、犬の散歩をしていると、横を
自転車に乗った人が颯爽と通り過ぎました。

その人の出で立ちは、
『まつり』を出した頃の北島三郎さんのような
つよめの短いパンチパーマに、
サンタクロースの洋服のような
赤色のとっくりセーターを着ていて、
イタリアン・グレーハウンドのような
灰色の太いズボンを履いていました。

『まつり』の北島三郎さん、サンタクロース、
イタリアン・グレーハウンド...できるだけ、
どんな人かをコトバで描写をしようと思ったのですが、
情報量が多すぎて、
何が何だか、わからなくなってきました。

あっ、それと言い忘れていたのですが、
おそらく、10代なんじゃないかなあ。
明らかに自分よりも若い人なんです。

通り過ぎたときに「おっ」と思ったのと、
通り過ぎて何歩か歩いていて、
「かっこいいなあ」と思ったんです。

「じゃあ、マネをしてみ」と言われたら、
マネはしないんですけれどね。
彼が思う「かっこいい」を貫いている姿が
「かっこいいなあ」と思ったのです。

今、10代の人にかっこいいと思われている
芸能人は、俳優の菅田将暉さんだとか、
山﨑賢人さん、福士蒼汰さんのようです。
みんなが思う「かっこいい」を追いかけるためには、
彼らに近い髪型や服装をすればいいのです。

そうやって、誰かの思うかっこいいをマネして、
多くの人は、均質化されていくんですが、
彼は、自分が思うかっこいいを貫いていて、
彼の表現する姿は、かっこいいじゃありませんか。

彼のスタイルは、雑誌『SMART』、『POPEYE』、
『MEN’S NON-NO』、『LEON』のどれにも掲載されていません。
個性が重要な、芸能人でもなかなかいません。

モテなくても、そのスタイルを貫いておくれよ。
贅沢を言えば、そのスタイルでもモテてほしいなあ。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
あっ、一人いました、ピコ太郎さんが。