たまたま、テレビ東京で放送されていた
『家、ついて行ってイイですか?』
という番組を観ていたのですが、
酔っ払っていた女性のコメントにハッとした。

番組を観たことのない人のために、
どんな番組か、かんたんに説明すると、
終電を逃した人にタクシー代をあげる代わりに
「家について行ってイイですか?」と声をかけて、
「いいですよ」といってもらえた人の家に訪問して、
部屋を見せてもらいながら、人生ドラマを探る番組です。

その日の番組は、
小雨の中、外で腰をかけている女性に、
番組のディレクター(D)が声をかける。
D「ちょっとインタヴューしていいですか?」
女性「はいーどうぞ」かなり酔っ払っている様子。
D「だいぶ雨に濡れているようですが」
女性「濡れてるわ」酔っ払いの素早い返し。
D「何あったんですか?」
女性「・・・普通、みんな何かあるでしょ」
とまじめな顔になって返す。

その後も、いろいろと質問が続いて、
結局彼女の家に訪問するのですが、
ぼくは「普通、みんな何かあるでしょ」にハッとしたのだ。

ものすごく明るいデブのあいつにも、
愚痴をこぼさないガリのあいつにも、
ワガママ言わないデカのあいつにも、
強い子だねと褒められるチビのあいつにも、
何かあるんです。別々の何かが。
それを口に出すか、出さないかは別にしてね。

インタヴューを受けた彼女は、シャンソニエとして、
純粋に歌を楽しんでほしいと思っているのですが、
歌うためには、ホステスもやらなければならない
という状況に疑問をもち、仕事を辞めたという。
今彼女は、ワインバーでバイトをしながら、
歌の活動をしている。何か、ありました。

こんなことを書くと、何かあったんですか?
と、ご心配をおかけしそうですが、
ご心配いただくことは、何もありません。
でも彼女が言ったように、
人生において何もない人なんかいませんよね。
なんだか、乙女心のように複雑になってきてしまいました。

今日も、明日も、明後日も、いい日でありますように。
あなたが好きな人も、嫌いな人でさえ、何かあるんです。